
宴会のこんな利用法
近くのコンビニで夕食と翌日の朝食ぶんを買ってくる。
その内容はというと、夜は野菜ジュースとトマトジュースとパン、朝はニンジンジュースとパンとヨーグルトといった「献立」だ。
悲しいかな、それが私の現実である。
低カロリーという心がけは守れてはいるが、ゆったりと食事を楽しむスローフードの理想とはほど遠い。
これはほとんどの日本のサラリーマンも同じではないだろうか。
厚生労働省は「健康日本21」の中で「1日1回、2人以上で30分以上かけて食事をとるべし」と、理想的な食事のしかたを提案している。
これを文字どおりに受けとると、単身赴任のお父さんが、どこかの居酒屋さんで見ず知らずのオジさんと肩を並べて、2人で30分以上、仲よく世間話でもしながら焼魚定食なんぞ食べれば、それでオーケーということになる。
ま、それは冗談としても、厚生労働省の本意は、ようするに、「家族団らんの楽しい食事をスローフードでとりなさい」ということだろう。
ゆっくり、楽しく、時間をかけて食事をすることで健康になれるということである。
ここで「家族団らん」といわないのは、「団らん」のできない家庭もあるのではないか、それは差別になるではないかと指摘されるのを恐れて、そういういい方になったらしい。
はっきりと家族団らんといったほうがわかりやすいと思う。
1日1回、2人以上、30分以上とわざわざ数字を使って決めるところなど、ズボンの太さは何センチ、スカートは膝下から何センチなどと、ちまちまとこまかく決める中学校や高校の校則みたいではないか。
もってまわったいい方になるのは、家族団らんなど、いまの日本の現実からすればむずかしいということを、厚生労働省もよくよく承知しているということなのだろう。
実際、日本にかぎらず、人間の暮らしは日に日に忙しくなり、食事の時間はどんどん短くなりつつある。
中国やイタリア、スペインでは、昼食に2時間ぐらいをかけ、その後1時間ぐらい昼寝をするといわれてきたが、それもだんだん変わってきた。
たとえばイタリアでも、北イタリアはすでに完全なビジネス社会だから、伝統的な昼寝を許すようなオフィスはもうほとんどなくなっている。
たしかにスローフードは健康にいい。
しかし、現実には、それを支えるような社会条件がないのだ。
それがはたして正しいのかどうかは別として、昼食にたっぷり2時間もかけているようでは、経済的にやっていけなくなっているのが先進国の現実だ。
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